知っておきたい!分量や頻度・回数などメダカの餌の基礎知識について2017.12.13
知っておきたい!分量や頻度・回数などメダカの餌の基礎知識について
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サイズも小さく、初心者でも比較的育てやすいと言われているメダカですが、餌のやり方にはちょっとしたコツがあります。特に分量や頻度・回数は難度が高く、少なければやせ型になり多すぎれば水質が低下して体長不良を起こす原因となるため注意が必要です。基礎を学んで、自分なりの飼育スタイルを見つけましょう。
野生のメダカが本来食べているのはどんなもの?
野生のメダカは小川や田んぼの中で生活していて、水中で生息する動物性プランクトンを餌として食べています。動物性プランクトンの代表的なものとしては、ワムシやミジンコ、ゾウリムシなどが挙げられます。
また、プランクトンには属していませんが、蚊の幼虫であるボウフラは好物です。古くからスイレン鉢にメダカを数匹入れて飼育する習慣があるのは、メダカがボウフラを全部食べ尽くすため蚊がわかないという、益魚としての効果が期待できるからです。この他、動物性のものは赤虫や水ミミズ、エビなどの小さな甲殻類も食べています。動物性の他に植物性プランクトンも補食対象であり、ケイソウやクロレラといった緑藻類のプランクトンが主体です。
こういった、メダカの好物である植物性プランクトンや苔類を繁殖させた水をその色にちなんで「グリーンウォーター」と呼びますが、そのグリーンウォーターでの飼育が初心者に適しているとされる理由はここにあります。もちろん、透明な水と市販の餌でも丈夫に育てることは十分可能です。ミジンコやボウフラを無理に採取してきたり、緑藻類をわざわざ水中に繁殖させる必要はないので安心してください。
餌を与える量や頻度、回数を覚えておこう
まず1回に与える餌の分量から見ていきましょう。メダカの活動が活発な期間である春~秋を基準として、飼育している水槽内のメダカ全体が5分くらいで完食できる量が1回分の目安となります。慣れないうちは見極めが難しいですが、何度か与えているうちコツが掴めてくるためあまり神経質に考えなくても大丈夫です。
ひとつ注意しておきたいのは、「与えすぎはNG」という点です。1回や2回なら良いですが、食べ残しが出るような量をずっと与えていると、食べ残した餌で水質が低下しメダカの体調を崩す恐れがあります。多いよりは少ないくらい方が良い、と覚えておきましょう。次に、1日に与える餌の回数について、季節ごとに見ていきます。メダカがよく活動し産卵期でもある夏は朝と夕方の合計2回与えましょう。平常時である春や秋は、1日1回を目安としてください。10℃以下になる頃からメダカは冬眠の準備を始め、活発性が低下するので餌の分量や回数を落としてください。
冬になるとほとんど動かない冬眠状態になるため、基本的には餌を与えなくても大丈夫です。心配ならメダカの動きを観察して動き回る時間が長い場合にのみ、数日に一度ほんの少し与えると良いでしょう。成魚をより大きく育てたい場合は、分量を減らして1日の餌の回数を2回~3回に増やすと良いです。ただしその場合は排泄物の量が増えるため、常に水を換えるなどして水質の悪化を防いでください。一方、稚魚に関しては少量を1日3回ほど与えましょう。ゾウリムシや稚魚用の粉末状の餌が好ましいです。稚魚はもちろん、餌のサイズが大きすぎると成魚でも食べられずに餌を残すため、食事の様子もしっかり観察するようにしましょう。
餌のやりすぎに注意!「多め」よりも「少なめ」に
餌やりの分量・回数の項目でも述べた通り、餌の与え過ぎには注意してください。5分以内に水槽内のメダカ全員で食べきることができない量は、水槽の底へと沈み放置されてしまいます。日が経つごとに餌が腐食していき、水質がどんどん悪くなります。
その結果メダカの体調も悪くなって衰弱するという悪循環を招くため、絶対にやめましょう。もし全部食べきることができたとしても、今度は排泄物が増えるためやはり水質低下の頻度が高まります。メダカに餌を与える際に、分量は適切であるか、食べていない個体はいないかなどしっかり観察する必要があります。メダカには消化をする腸はあるものの、人間のように食べ物を一旦蓄積しておく「胃」が存在しません。そのため一度に大量の餌を与えても食べきることができずに残してしまいます。
「多め」よりも「少なめ」がセオリーなのはこのためです。またメダカごとに性格が異なり、気の強い個体は毎回食べられますが、気の弱い個体は食べられないこともしばしばあります。こういった餌がいきわたる個体差をなくすためにも、「少量を回数に分けて行うこと」と「じっくり餌を食べるようすを観察すること」の2点を守りましょう。
メダカの餌の種類・人工餌
粉末にした魚肉を主原料として作られたメダカ用の人工餌は、価格も安くホームセンターやペットショップなどで容易に手に入りやすく初心者におすすめです。こだわる方はメダカの健康・成長や色なども考慮した栄養分が配合されている、専門店の人工餌を与えると良いでしょう。より美しく育てたい方におすすめします。
人工餌はフレークやクランベル、ベレットなどいくつかの種類がありますが、フレークタイプなどに多い水面にしばらく浮いていてゆっくり沈むタイプの餌が好ましいです。沈むのが早いと食べ残しが多くなり、メダカが衰弱するだけでなく水質の低下にも繋がりやすくなります。食べ残した餌を処理してくれるエビ類や、石巻貝やヒメタニシなどの貝類を共生させて水質を保つのも良い方法ですが、メダカに餌を完食させることをまずは意識しましょう。
メダカの餌の種類・生き餌(動物性)
生き餌は人工餌に比べて価格が高く、微生物や昆虫なので抵抗を感じるかもしれませんが、野生のメダカの食生活と同じになるため栄養価も高く理想的な餌です。手軽なものとしてはゾウリムシやミジンコ、オカメミジンコなどが挙げられます。専門店に行けばボトルに入ったタイプのものが販売されており、微生物用の繁殖剤であるムックリワークや鶏糞・ドライイーストなどを併用して繁殖するのも良いでしょう。
人工餌のみで育ったメダカとの違いは、成長度合いや形の美しさが大きく異なります。当然ながら生命力も強く丈夫になり、ちょっと水質が低下した程度では動じません。もう少しこだわりたい方には、熱帯魚の定番の生き餌である「ブラインシュリンプ」がおすすめです。乾燥させて休眠状態になった卵の状態で販売されており、28℃の塩水につけてエアレーションをしておけば大量に孵化するため便利に使用することができます。ミジンコやゾウリムシに比べ少し手間がかかりますが、栄養価は非常に高いです。この他に植物の茎や葉の裏についているアブラムシ、蚊の幼虫であるボウフラなども良いでしょう。
メダカの餌の種類・生き餌(植物性)
生き餌は動物性の他に、「グリーンウォーター」の源である植物性のものも存在します。基本的には、室外飼育の場合は自然と緑藻が発生するため放置していてもこの環境を作り出すことができますが、人工的に作り出すことも可能です。ミジンコの餌としても使われることが多い「生クロレラ」は、植物性プランクトンであるためクロレラ自体がメダカの直接的な餌となってくれます。
成魚の飼育に有効なのはもちろん、餌が常に必要であるため育てるのが難しいとされる稚魚の飼育に特に有効で、初めて稚魚の生育にチャレンジするケースの生存率を上昇させる必須アイテムです。また、植物性プランクトンの一種であるミジンコウキクサもそれ自体が食物となる上に、水槽に放置していても水を汚さず光合成を行ってくれるため飼育が容易になるでしょう。
毎日観察して適量を見極めよう!
成長度合いや個体によって異なりますが、餌やりの頻度は活発な夏は1日2回、春・秋は1日1回を目安にしましょう。ほとんど活動しない冬に関しては、基本的にほとんど与えなくても大丈夫です。多めより少なめを心がけ、完食できる量を目処に水質の低下を避けるようにしてください。初心者には手軽に入手できて、餌やりも容易なフレークタイプの人工餌をおすすめします。
ただ注意したいのは、一度開封して常温で長期間放置すると酸化が進んで栄養価と品質が低下する点です。そのため、できるだけ短期間で使い切れる少量のものを購入して、冷蔵庫などで保存するようにしましょう。
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紀の国めだか
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